Home > 業務内容 > まちづくり映像のご案内 > シリーズ27 「都市の再生と交通計画 Part II」

映像シリーズ (VHSビデオ/DVD)のご案内 (まちづくり映像シリーズ No.1~47)

映像シリーズ27表紙
映像シリーズ27
活力のネットワークづくり

都市の再生と交通計画 Part II

~欧米に見る都市計画・交通計画の一体化・総合化~

[監修] 岡 並木 (評論家=比較都市論)

映像の概要

型式 オートスライド(VHSビデオ/DVD)、シナリオ付き、120コマ/36分
定価 28,875円 (税・送料込)
完成 1993年7月15日
協力 森 延彦 (静岡県 都市住宅部 都市住宅企画課)
申込方法 申込用紙(フォーム)に下記の所要事項を記入の上送付下さい。
  ■所要事項 : 勤務先、氏名、所属部課役職名、所在地、TEL、FAX、MAIL、支払方法、必要書類、等
  ■申込用紙 : お申込みフォーム  FAX・メールでのお申込み

映像の特色

●車優先から公共交通との共存へ歩み始めた欧米から都市計画と一体化した交通システムを展望

魅力と活力ある都市づくりの先達であるヨーロッパを、都市の再生と交通計画の視点から捉えるため、活力ある歩行者空間(モール、広場、ボンエルフ、商業空間)と各種の交通計画(国鉄・地下鉄・バス・市電・新交通システム等の公共交通機関、自家用車・自転車、駐車施設)や乗継システム、再開発計画、魅力ある都市景観の都市計画を映像化し、都市・商業の再生・活性化への手がかりをつかもうとするものです。

※取材は、岡並木氏の指導のもと、カメラマンと、プロデューサーが直接、市や企業を訪れて行ったものです。

▲このページのトップへ

映像の内容構成

〈プロロ-グ〉

今、世界の多くの都市が変わりつつあります。

ゆったりと歩いたり、ショッピングを楽しんだり、立ち話ができたり、子供たちを遊ばせることのできる空間が生まれ、夜間人口も定着し始め、街に賑いと魅力が戻って来ています。

「街を自由に徘徊できる機能」が自動車の増加によって失われることは街の衰退を意味します。都市の再生は、自動車交通をコントロ-ルし都心部を都市と市民に快適で魅力的な空間として取り戻すための試みといえます。

〈都心部への自動車乗り入れ制限とゾ-ン制〉

  • イエテボリ
    世界初の交通ゾ-ンシステムを導入。都心部を5つのゾーンに区切り、路面電車、バス、歩行者以外のゾ-ン間の通行を禁止し自動車の乗入れを制限。
  • ブザンソン
    ゾ-ンシステムとバスを組合わせ、トランジットモール、バスロケ-ションシステム、P&Rを整備して人々を自動車からバスヘ乗換えさせることに成功し、都心は美しくよみがえった。
  • アーヘン
    駐車場探しのうろつき運転による交通混雑を抑えるため、駐車場案内・誘導システムをドイツで初めて導入し、都心部は活気を呈している。

〈都心部への自動車乗り入れ制限の新しい方法〉

  • ローマ
    都心部7平方キロメートルで観光バスなども対象にきめ細かく車の乗り入れを規制。
  • アムステルダム
    環状運河に囲まれた都心の8km2を自動車の乗り入れ規制対象地域として歩行者に解放し、物流を含めた交通の再編に取組んでいる。
  • シンガポール
    自動車の都心部への乗り入れに賦課金を義務づけるエリアライセンシングを導入。1993年からはエレクトロニクス化を計画。
  • オスロ
    都心部の再生を図るトンネル建設の財源確保のためにロ-ドプライシング制を導入。電子式の都心乗り入れ賦課金自動徴収システムを実施。

〈面交通と線交通の組み合わせ〉

  • パリ
    面交通のバス、メトロ、路面電車と線交通のパリ圏高速鉄道RERをスムースに機能させるためゾ-ン運賃制度を実施。

〈車社会アメリ力での試み〉

  • デンバー
    郊外の大型ショッピングセンタ-の出現と衰退したダウンタウンを再生するためトランジットモ-ルを整備し、無料の低床バスを運行している。
  • ミネアポリス
    郊外への人口流出でスラム化した都心を再生するためニコレットモ-ルを整備し、寒い冬でも快適に移動ができる空中回廊スカイウェイをリンクさせた歩行空間を実現。また住宅を整備することで人々の息づかいが聞こえる街を作り出した。新しい郊外型テ-マパ-クの出現で再整備した。
  • ポ-トランド
    公共交通重視の交通計画とア-バンデザインのー体的な取組み。バスタ-ミナルの機能を持たせたトランジットモ-ルと新しい路面電車「MAX」を整備。運賃はゾ-ン制を採用し、「フェアレススクエア」と呼ばれる都心部2km四方は運賃無料で運行して、都心に活力を呼ぴ戻している。

〈公共交通機関を中心とした総合的な都市計画〉

  • 卜ロント
    TTC=トロント交通公団による公共交通の一元化や1回払い均一運賃制度ワンフェアシステム、P&R等を整備、地下歩行者道のネットワ-ク化も。
  • バンク-バ-
    シ-バス、新交通、住宅整備による夜間人口の呼び戻しの総合化。
  • クリチバ(ブラジル)
    急行バス・地域バス・フィ-ダ-バスを自由に乗り継げる世界で最も進んだバスシステム。1回払い均一料金制。市電への転換も…
  • ストラスブ-ル
    交通セルシステムの実施、バス網の充実、路面電車の建設が進む。

〈環境に調和した都市づくり〉

  • フライブルク
    「エコポリス」づくりの実践。トラフィックカ-ミング=車の目立たない街(歴史的町並みに調和した駐車場ビル等)をめざす。都心部42haの歩行者街路網や、P&R、135kmの自転車道路、「環境を守るパス」等を実践。

〈エピロ-グ〉

交通は人に優しいだけでなく、都市にも、自然環境にも優しくなければならない。

「人間と都市と地球の共生」への取組みが今こそ必要なのです。


監修にあたって

「都市計画と交通計画との総合性」。これはよく使われる言葉です。その言葉にふさわしい都市はいくつかあります。たとえば、カナダのトロント、バンクーバー。ブラジルのクリチバ。スウェーデンのストックホルム。ドイツのハンプルク、ハノーバー、ミュンヘン。これらの都市はこの道の先輩といっていい。少し後輩で、フランスのブザンソン、リール。この先輩、後輩の間の違いは何でしょう。

先輩は、その都市の市民にとって公共交通網を画期的に使いやすいシステムに組み立てました。

それに比べ後輩は、公共交通機関を使いやすくすると同時に、自動車の使い方にもある程度の制約を加味したということでしょう。

そしてこの後輩には、そのまた後輩が現われました。新しい後輩としておきましょう。その例は、ドイツのフライブルク、フランスのストラスブール、オランダのアムステルダムでしょう。新しい後輩は、自動車への制約をもっと厳しく考えています。自動車から都市の公共空間を取り戻すという考え方が、政策の背後にあります。

これらの都市は、なぜこういう道を歩き始めたのか。そしてどこへ向おうとしているのか。スライドを通して考えてみたいと思います。

1993年7月 岡 並木


【スタッフ】

脚本・演出     細谷孝子
撮影         及川知也
プロデューサー   緑川冨美雄

▲このページのトップへ

関連情報

▲このページのトップへ