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映像シリーズ (VHSビデオ/DVD)のご案内 (まちづくり映像シリーズ No.1~47)

映像シリーズ9表紙
映像シリーズ9

欧米にみる都市の色と彩り

~色彩計画へのアプローチ~

●歴史・風土・文化と色の関わり、景観や調和等の再考を提起

[監修] 三沢 浩 (デザイナー)

映像の概要

型式 オートスライド(VHSビデオ/DVD)、シナリオ付き、82コマ/17分
定価 25,050円 (税・送料込)
完成 1986年12月
申込方法 申込用紙(フォーム)に下記の所要事項を記入の上送付下さい。
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  ■申込用紙 : お申込みフォーム  FAX・メールでのお申込み

映像の内容構成

プロローグ

所狭しと、また目立とうとして、街に氾濫する看板やネオン、自販機、「個性」をあらわに主張する建築物 などは騒色公害言えるかもしれません。文明(科学技術)の進歩がもたらした所産も、都市のたたずまいや秩序という文化にとって、新しい課題を提起しています。

風土と色

ヨーロッバの都市を想像する時、パリのグレートーンみ、バルセロナの土の色等と、我々はその都市を 「色」で記憶していることに思い当たります。都市は本来、風土色によっで支配されていたのです。

機能美

ニューヨークの摩天楼にモダンな近代の機能美を思い描く反面・画一的で無機質な感覚も抱きます。

個性と色

都市は時代の価値感とともに、その姿や機能を変えていきます。歴史のある街に溶け込んだ近代建築を 見ると、独自の美意識や個性が時代の変化を取り入れていることが分かります。

水辺と色

アメリカやカナダの港湾は、次々と生まれ変わっています。港や入江、工場等が市民の憩いの空間となる背景には、水や緑という自然の力と風土色があるのです。サンアントニオのリバーウォークを歩く時、水や緑を背景として生かした近代建築との調和を感じます。

モール

モールでも都市の個有の色彩演出が行われています。人間が歩くことの意味や価値が形態・機能の両面で生かされています。

都市の個性と色彩

都市の個性や色は、都市が拠って立つ自然風土から生まれてきます。それは、人々の色彩感覚やセンスとして育まれ、文化をかたちづくっているのです。そのことは、水や緑といった自然の生かし方、目抜き通りの景観計画、 街並み保存の方法、モールのデザイン、ウォーターフロントの再生、公共交通機関の色、看板やファサードのデサイン、季節感や時間の演出等に見ることができます。

公共空間と秩序

個々の建物が自己顕示することなく街並みを形成している様子から、そこには大きな秩序とも言えるよう なものが働いていることが伺えます。都市の外部空間は、市民一人一人の共通の財産であるという考え方なのです。

エピローグ

公共空問では、秩序の中で個性が磨かれ、抑制の中で美が洗練されるのかもしれません。今日の色彩の混乱は、日本人が培ってきた「色」の文化を忘れ、抑制と研磨から自由になり過ぎたからでしょう。そうした中で始まった都市デザインの「色」への関心は、どのようにして日本文化や地域文化としての「色」を取り入れ、まちづくりに磨きをかけていくのでしょうか。


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監修にあたって

都市は人間の最大の発明だと人はいう。爾来、都市は人間の英知を集めて、現代の繁栄をもたらした。
一方で自然は人間に亡ぼされつつあるが、その愚かな人智でも、自然の中に人工では得られぬ感覚のあることを知った。五感は視、聴、嗅、味、触だが、自然の色を感ずるのは、その目であり、その視覚である。
都市は人工の色に溢れ、人間の考える「化粧効果」を生み出している。
その中で、都市に自然の緑を取戻す努力がなされ、色を自然に戻す努力がなされようとしている。
それを「粧い」の世界とし、「彩り」の都市を考えたい。いかに人工が不自然でなく、都市の中で、ま
た自然の中でも生きうるか、五感がそれに耐えうるのかを問い直そうとするのが、この新たな試みである。
「彩り」の世界はペンキ世界と共に、まだ試行錯誤の中にあって、定説なく百鬼夜行である。その世界に一石を投じ、問題の那辺にあるかを問おうとするものである。


色と照明のスライドを推薦します

プランナー・デザイナー 泉 眞也

日本人は元来、街の色に対して非常にセンシブルな民族であった。特に紙や木などの柔らかい材料の使い方に関して優れていた。

それは古い街並みや映画をみると、プロポーションや、人工物と緑の配置の割合いなどに表われている。
しかし、最近必ずしも良くないのは、鉄やコンクリートという新しい材料あるいは色彩への経験が浅いからではないだろうか。

ヨーロッパの人たちは長い間石やレンガを初め、おそうした材料を使って街をつくってきたので、どうすれば美しい都市を生み出せるかという経験が豊富である。

その意味で、スライドというのは映画より細かい情報やニュアンスを伝えられるメディアであるので欧米に学ぶ上で有意義である。

それぞれの地域や歴史、市民の感性にあった街をつくろうとする時に、“都市の色と彩り”は大変役に立つといえよう。


(株)横浜みなとみらい21企画部長 若竹 馨

“快適な都市環境の中で充実した生活をしたい”という願いは、私達共通の想いであろう。

コントロールされた街の色彩、緑あふれた街並、美しい水辺、デザインされた個性的な都市照明等々。

だが現実の街は、どぎつい色を使ったネオンや看板が氾濫し、おせじにも街は快適であるとはいえない。

魅力と個性にあふれた都市空間の創設のためには、市民・一人一人が自からの力で、その地区の都市環境にみあったものにしていく努力が必要である。

それにはまず、すぐれた都市空問を有する、諸外国の例を見学することも大切であろう。

幸いにも、此度、地域科学研究会かち“都市の色と彩り”と“都市の照明とあかり”というオート・スライドが刊行された。諸外国の優れた都市空間がビジュアルに見られる。個性と魅力にあふれたわが街を創っていこうと努力している入々に大きな示唆を与えてくれるであろう。


都市・交通問題評論家 岡 並木

1986年の晩秋、4夜にわたって横浜都心の由緒あるビル棟が、強い照明を浴びて夜空に浮び上った。その2日目の夜は雨。

だが沢山の市民が、雨の中、照らし出された建物の前に佇んでいた。

その人たちにとって、屋内や道路を照らす実用的な照明と違って、建物を外から照らすという遊びの照明は、一種のカルチュアショックだったに違いない。

いや今回だけではない。照明の歴史の節目節目には、つねにショッキングな感動があった。

たとえば100年前、日本で初めての大量の白熱灯が大阪の紡績工場で輝いたときには、3日間に5万人が見物に押しかけた。

1960年、ヨーロッパの視察に出かけた警視庁交通部長の富永誠美さんが、何より驚いたのは、都市の夜道にネックレスのように連鎖して輝く車道照明の青い水銀灯の光だった。

暗い裸電球の街灯しか知らなかった富永さんにとって、車道を煌々と照らすというヨーロッパの発想は、カルチュアショックだった。

しかし先人たちが驚いた照明の数々も、いまは日本でも、何でもない目常の「あかり」になった。

だが欧米の街には、まだまだ日本では日常化していないさまざまな照明の知恵がある。

三沢浩さんの監修の「都市の照明とあかり」はその姿を鮮やかに映し出し、夜の楽しさの演出は、奥がいかに深いかを教えてくれる。


【スタッフ】

脚本・演出 細谷孝子
撮影     及川知也
演出     緑川冨美雄

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