資料シリーズ(書籍)のご案内 (まちづくり資料シリーズ、シリーズ・内発的発展)
まちづくり資料シリーズ25 交通計画集成 巻10
空港の新しい役割と地域共生
シームレスネットワークと地域活性化戦略
[監修] 山本雄二郎 高千穂商科大学 商学部 教授
書籍の概要
体裁 |
A4判/195頁 |
発刊 |
1997年9月 |
定価 |
定価 9,514円 (本体価格)+税 ISBN 978-4-925069-75-5 |
執筆者
※役職は講演
又は執筆時 |
山本雄二郎/高千穂商科大学 教授
河宮 信郎/中京大学 教養部 教授
引頭 雄一/(株)日本空港コンサルタンツ 計画第1部長
田村 亨/室蘭工業大学 工学部 助教授
佐藤 充弘/(社)中部開発センター 副会長
杉浦 英俊/杉浦計画事務所
山内 弘隆/一橋大学 商学部 助教授
和平 好弘/運輸経済研究センター
益森 芳成/企画開発
出崎 正弘/元.広島空港ビルディング
笹川 明義/(株)日本エアシステム 空港・施設部 課長代理 |
申込方法 |
申込用紙(フォーム)に下記の所要事項を記入の上送付下さい。2~3日以内に発送致します。
■所要事項 : 勤務先、氏名、所属部課役職名、所在地、TEL、FAX、MAIL、支払方法、必要書類、等
■申込用紙 : お申込みフォーム FAX・メールでのお申込み |
書籍の内容構成
第1章 グローバル時代の空港づくりと地域・環境との共生
1. グローバル時代における今後の空港整備
山本雄二郎 (高千穂商科大学)
2. これからの一般空港の整備方策
山本雄二郎 (高千穂商科大学)
3. 地域と共生した空港づくり
河宮 信郎 (中京大学)
4. 地方空港の整備・改善方策と地域との関わり
引頭 雄一 (日本空港コンサルタンツ)
5. ミュンヘン新空港建設における地域との共生と環境保全
田村 亨 (室蘭工業大学)
6. 中部新空港にみる計画策定プロセスと地域との連携
佐藤 充弘 (中部開発センター)
第2章 シームレスネットワーク社会の空港
1. これからの空港の機能とサービス
杉浦 英俊 (杉浦計画事務所)
2. アジアのハブ空港建設と日本の空港
山内 弘隆 (一橋大学)
3. 空港アクセス交通の整備と効果 ~異種交通の共存~
和平 好弘 (運輸経済研究センター)
益森 芳成 (企画開発)
4. 新広島空港にみる臨空都市のコンセプトと実際
出崎 正弘 (元.広島空港ビルディング)
5. ヨーロッパの空港 ~利用者からみる機能とサービス~
笹川 明義 (日本エアシステム)
●監修にあたって
現在、社会資本の整備は大きな転換期にさしかかっている。
財政構造改革が声高に叫ばれるなかで、従来と軌を一にした整備を続けることは困難になるだろう。
空港の場合も、その例外ではない。
しかし、それにもかかわらず、量的にも質的にも、航空の重要性は高まりつつある。
この転換期に、空港整備はどう対処していくべきか。
本書の企図はまさにそこにあった。
第1部のテーマは、「空港づくりと地域・環境との共生」である。
当然のことながら、空港は地域から孤立して存立しうるものではない。
計画化の過程において、建設の段階において、空港は地域といかにかかわっていくか、十分に検証され、誤りなきを期さなくてはならない。
その意味で、成田空港問題は決定的な教訓を残した。
その後、国内では中部新空港、海外ではミュンヘン空港などで、その教訓が生かされたが、一般的には、まだまだ究明されなくてはならない課題が山積している。
新たに策定された第7次空港整備5か年計画をどう推進していくか、これからが正念場だろう。
第2部のテーマは、「空港の機能・サービスと地域活性化」である。
諸外国の例を展望するとともに、異種交通機関(たとえば鉄道)との関係、また空港の機能とサービスについても、再構築の方策が検討されなくてはならない。
一方でアジア地区の大規模空港の整備に目を向け、他方で地域振興と地方空港の接点を意欲的に見出そうとしている例に注目したのも、なにかヒントが得られないかと考えたからである。
本書に収録した諸論文には、講演を加筆・訂正したもの、新たに書き下したものがあって、やや整合性を欠いたり、重複した箇所がないとはいえない。
しかし、あえて問題を多角的に、かつ重層的にとらえようとした結果といえないこともなく、そう受けとめて容赦していただければ幸いである。
1997年7月10日 山本雄二郎
●編集を終えて
以前、高松空港に降り立った時、都心に近い旧空港とYS11が懐かしくなりました。
空港のジェット化が進み、中心都市から遠くなる空港を利用する度に高松を思い出します。
それは、日本がYS11を捨てた時期と重なるのかもしれません。
しかし、現在のジェット化が良くないと言うつもりはありません。
YS11のメリットを採り入れたシステムを航空ネットワークづくりに生かして考えてみてもいいのではないかということです。
それぞれの地域は選択肢をもっとたくさん創造していくことが必要であって、豊かさとはその選択肢が多いことを言うと考えるからです。
余談ですが、YS11の後継機をもし日本が開発していれば、島の多いアジアでの活躍が期待でき、また日本の航空産業への貢献も大きかったのではないかという思いを捨てきれません。
駅は街の顔と言われるように、空港はその地域の顔であると思います。ヨーロッパやアメリカを旅行しますと、印象に残る空港が多いことに気がつきます。
それは国際空港に限りませんが、果して何がそうさせているのかと考えることがあります。
空港ターミナルのデザインや機能、サービスが一体となって情報を発信しているからなのではないかと思います。
このことは、他のことでも言えます。
そこには、計画やデザインをするプロセスの違いがあるのかも知れません。
まだまだ学ぶことは多いようです。
また、空港を、高速道路を、新幹線を、という地域の要望には根強いものがあります。
しかし、そのパンフレットなどには、どこかで見たり聞いたりしたことがあるキーワードや絵が並んでいたりします。
地域としてのオリジナリティや計画のリアリティを感じ取れません。
本来、手段であるはずの空港や高速道路、新幹線をつくること自体が目的と化しているように思えるのです。
もっと、地域としてそれらをどう使いこなすか、といった新しい視点から考え直すことが求められているのではないでしょうか。
本巻が、これから空港をつくろうとする、現にある空港を生かそうとする、あるいは大規模な公共事業を計画している地域や市民、自治体のお役に立てることを切に願っています。
当会にとって創立20年を記念するような大事業になってしまったこの出版企画も、途半ばを越えることができました。
これも編集委員、執筆者の皆様のご支援・ご助力の賜です。
厚く御礼申し上げます。
(緑川)
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