資料シリーズ(書籍)のご案内 (まちづくり資料シリーズ、シリーズ・内発的発展)
まちづくり資料シリーズ25 交通計画集成 巻5
物流・沿道環境・立体道路
地球温暖化防止に貢献するシステムと対策
[監修] 高田 邦道/日本大学 理工学部 教授
書籍の概要
体裁 |
A4判/186頁 |
発刊 |
1997年1月 |
定価 |
9,515円(本体価格)+税 ISBN 978-4-925069-70-0 |
執筆者
※役職は講演
又は執筆時 |
高田 邦道/日本大学 教授
望月 明彦/茨城県 土木部 都市計画課長
武政 功/建設省 都市交通調査室 課長補佐
齊藤 実/神奈川大学 経済学部 助教授
鹿島 茂/中央大学 理工学部 教授
宮川 浩一/交通ジャーナリスト
芦田 昇/大成建設(株) エンジニアリング計画部 企画室 次長
白水 義晴/(株)シオ都市計画経営研究所 所長
森嶌 昭夫/上智大学 法学部 教授
石田 東生/筑波大学 社会工学系 教授
平井 節生/環境庁 自動車環境対策第一課長補佐
成田 隆一/東京都 建設局 道路建設部 計画課長
塚本 正司/住宅・都市整備公団 企画調査課長 |
申込方法 |
申込用紙(フォーム)に下記の所要事項を記入の上送付下さい。2~3日以内に発送致します。
■所要事項 : 勤務先、氏名、所属部課役職名、所在地、TEL、FAX、MAIL、支払方法、必要書類、等
■申込用紙 : お申込みフォーム FAX・メールでのお申込み |
書籍の内容構成
第1章 物流システムの高度化
1. 地区交通計画と貨物車対策
高田 邦道 (日本大学)
2. これからの都市内物流システム ~新たな物流拠点と荷捌き施設の整備促進~
望月 明彦 (茨城県)
武政 功 (建設省)
3. ユーザーサイドからみた都市内物流
齊藤 実 (神奈川大学)
4. 都市内物流システムと共同集配送
鹿島 茂 (中央大学)
5. 福岡市天神地区の共同集配システム
宮川 浩一 (交通ジャーナリスト)
6. 新宿摩天楼スタッフ ~高層階事業所への共同集配送の実際~
芦田 昇 (大成建設)
7. 都市交通対策と物流のシステム化 ~貨物車交通と端末配送の適正化に向けて~
白水 義晴 (シオ都市計画経営研究所)
8. 路側空間利用 ~荷物積みおろしの空間確保~
高田 邦道 (日本大学)
第2章 幹線道路の整備と沿道環境対策
1. 環境問題と道路公害訴訟
森嶌 昭夫 (上智大学)
2. 道路環境改善の方向性 ~環境負荷の軽減と道路のサービスレベル向上~
石田 東生 (筑波大学)
3. 道路周辺環境の現状と今後の環境行政
平井 節生 (環境庁)
4. 道路整備と環境の調和
成田 隆一 (東京都)
5. 東京外郭環状道路等における立体道路制度の活用
塚本 正司 (住宅・都市整備公団)
●監修にあたって
自動車の出現は、われわれに数多くの恩恵を与えてくれた。しかし、利用者の限りない増加は、さまざまな問題を顕在化させることになった。交通事故、交通渋滞、交通公害が自動車の3大課題といわれている。なかでも、交通公害は騒音、振動、排出ガスと利用者のデメリットとしてではなく、沿道住民に多大な迷惑を与えてきた。車両の改善、道路舗装の改良、緩衝緑地帯の設置、防音壁の設置など技術的、道路構造的改善は進められてきているが、CO、NOx、CO2の排出量は増加の一途をたどるとともに、騒音、振動の苦情件数も伸びてきている。このように問題の多い自動車ではあるが、利用者は未だに増加し続けている。それは、自動車は戸口から戸口へ、いつ、どこへでも、好きな時間に移動できる手段であるがためである。すなわち、魅力を通り越して魔力に近い存在として自動車はあると考えてよい。
このすばらしい移動機関である自動車をできるだけ長く、われわれの移動手段として存続させるためには、自動車交通としての適正化を図っていく必要がある。適正化を図る方法は種々存在するが、本書の第一部では、まず自動車交通の中でも課題の多い貨物車に焦点を当て「物流システムの高度化」を都市サイドから論じた。各章では、物流システムの改善まで踏み込んで合理的な交通トリップの実現を多様な角度から論じて戴いた。第一は、端末物流の処理である。荷さばき施設を建物内あるいは敷地内に持っているケースが少ないわが国の場合、路上における荷物の積みおろしに依存せざるを得ない。したがって、物流を駐車問題あるいは地区交通管理の中でいかに取り扱うかが重要で、この視点から論じてある。第二は、幹線物流から都市内物流へ切り換える物流拠点あるいは荷さばき施設の配置と機能についての課題である。第三は、交通量を抑制し、物流の効率化を図れる共同集配送である。本書では、共同集配システムの構築への試みを事例に混え、多角度から検討している。ここで論じられた課題は、実現までには困難なハードルが数多く存在するが、都市の交通環境改善のためには果敢に試行しなければならない問題である。なかでも、端末物流問題は直接道路交通と関わるため、整備が進めば歩行者あるいは自転車の空間も産み出せることになるなど、総合的な都市交通問題として取り組むことが肝要である。
第二部の「幹線道路の整備と沿道環境対策」は、沿道環境問題の直接的、実用的、具体的な対策に関する内容である。したがって、環境対策の実務に、道路・都市計画の指針に活用して戴けることと考える。なかでも立体道路制度の活用は、これまでの道路だけに限定された計画から、地域の面的な交通計画を含め、住宅計画あるいは緑地計画にも及ぶものであり、これからの環境対策をとり込んだ道路整備の方向を示すもので、その成果が期待されている。
以上のような内容で本書はとりまとめてある。
1997年1月25日 高田 邦道
●編集を終えて
当会では、書籍の発送などは宅配便の比重が増し、郵便局は減っています。様々な理由がありますが、大きくは、①1個でも集荷してくれること、②夕方5時を過ぎても発送できること、③翌日配達してくれることの3点です。この便利さは料金の多少の高ささえクリアしてしまいます。個人的にも、近所の大型店のカウンターは日曜日も受け付け、夕方3時までであれば翌日に配達されます。
宅配便が急速に普及したのは、市民や企業の二一ズを正確につかみ需要開発を行ったからではないかと思います。その例としては、コンビニエンス・ストアも該当します。私は帰宅時間が遅いため駅の売店が開いていないので、コンビニで新聞・雑誌類を購入しています。周囲を見回しますと、仕事・プライべート関係なくコンビニが欠かせなくなっているようです。このコンビニと宅配便を支えているのが、自動車です。
一方、自動車は私たちの生活にマイナスの影響も与えています。私が住む集合住宅団地で、5年程前に外装工事をした際に、そのことを経験しました。その工事を管理組合の役員として担当した建築関係の仕事をしている仲間の一人が、北側は明らかに通常の錆とは違うと言うのです。驚きましたが、確かに団地の北約800mに高速道路と国道が通っていますから、その影響と推測できます。
私たちの生活は自動車文明なしには成立しません。本書にも様々な報告・提案等がありますが、余りにも自動車に依存しすぎた社会を考え直す時期にきているのではないでしょうか。これまでとは違い、資源・エネルギーや地球環境、交通渋滞や交通公害に企業も行政も市民も具体の課題として取組むことが求められているのです。
本シリーズも、編集委員や著者のご助力があって12巻中4巻を刊行することができました。ここに厚く御礼申し上げます。
地域科学研究会 (緑川)
|
▲このページのトップへ
関連情報
▲このページのトップへ