公共入札改革の現状と展望

　今回の研修企画では、地方公共団体の入札の全国調査を行うなど、実態に詳しい鈴木満教授と、入札改革に実績をあげ、また電子入札に全面移行しつつある横須賀市の方のお二人に、じっくりと講演いただき、入札改革の焦点、取組みの方向を明確にしたい。

　入札をめぐる不正がなかなか根絶しない中で、競争性を確保するために、公共側でどのようなことに注意を払い改革を進めるべきか、また談合防止に効果が高いといわれる電子入札であるが、導入・移行するためには、単にシステムを置き換えるだけでなく準備段階でどのようなことを取組むべきか事例より展望したい。

地方自治体における入札制度改革および談合防止対策の実態と課題

桐蔭横浜大学　鈴木 満

1. 入札談合の特徴と独占禁止法による規制
2. 国・地方公共団体の入札談合防止対策の実情
3. 談合をなくすための入札制度改革
   (1)入札制度改革の必要条件・十分条件
   (2)予定価格事前公表の意義と限界
   (3)電子入札システム導入の効果と課題
   (4)競争性確保と地元業者保護との両立
   (5)競争性確保と行政コスト削減との両立
   (6)競争性確保と工事品質確保との両立
   (7)競争性確保とダンピング防止との両立
   (8)設計コンペの導入の必要性
4. 入札談合をなくすための入札制度改革の条件
   (1)談合擁護論の生む予定価格制度
   (2)官製談合を誘発する予算の単年度主義
   (3)内部告発優遇制度の概要

［横須賀市］入札制度改革と電子入札システムへの取組み

横須賀市　金井 保雄

1. 入札制度改革
   (1) 入札制度改革の取組み（5本の柱）
   (2)　改革前後の制度比較
   (3) 入札制度改革の効果
   (4) 入札事務の情報化とその効果
   (5)　入札制度改革のあゆみ
2. 入札制度概要
   (1) 横須賀市の入札制度概要
   (2) 発注の基本的な考え方と入札方法
   (3) 条件付き一般競争入札のタイムチャート
   (4) くじの採用
   (5) 郵便入札
   (6) インターネットの画面
3. 電子入札システムの概要
   (1)　経緯と予定
   (2) 電子入札システムの事業者側のメリット
   (3) 本システムの特徴
   (4)　セキュリティー対策
   (5) 電子入札システム全体イメージ
   (6) 横須賀市電子入札～将来に向けての方向性