研修会(セミナー・シンポジウム)
コミュニティ交通シリーズ-19 申込終了
デザインエレメントとしての ―
交通デザイン力の検証
― 「空気を運ぶバス(移動体)」から活力を創造するエレメントへ
― 「迎合主義・付和雷同」を超越した構想力あるデザインへ
開催概要
開催日 |
2001年3月30日(木) 9:00~17:00 |
会場 |
都道府県会館・会議室 |
講師陣 |
上山良子 氏/ランドスケープアーキテクト・長岡造形大学教授
宮沢 功 氏/(株)GK設計専務取締役・(社)日本サインデザイン協会会長
山田晃三 氏/(株)デザイン総研広島取締役デザイン部長
三沢 浩 氏/建築家・東京理科大学工学部講師
岡 並木 氏/評論家(比較都市論) |
講義内容
時間 |
講義内容 |
9:00 ~ 10:20 |
地域性を生かした駅舎、駅前広場、歩行環境のデザイン
ランドスケープアーキテクト 上山良子
- 地域の風土性の発見
土地の持つ多層のレイヤー v.s. 人々のいとなみの変遷
地域性の共同認識:原風景の共有
- 駅舎・駅前広場のデザインにみる地域性の表現
街の顔としての駅舎・駅前広場
拡大する駅舎のプログラミング v.s. 地域性の担保
- 歩きたくなる歩行環境のクライテリア
そこの場所にしかない街風景
街風景が経済的価値を生む時代
- デザインの問題 v.s. しくみの問題
役所にデザインマインドの人を:消防・警察協議
50万人の都市に働く300人の街づくり部隊:ヘルシンキ
- 小学校における環境教育の希求
フィンランドの環境教育の教科書にみる街づくり
スウェーデンのこどものための教科書にみるエコ教育
〈質疑応答〉 |
10:30 ~ 11:50 |
交通広告と都市環境 ―広告の果たす役割、そのあり方
(株)GK設計 宮沢功
- 屋外広告物の課題
競争を前提とした商業環境にあって、より大きく、より沢山、 より派手にという広告物の氾濫が都市景観を汚している。
- 景観に対する配慮
しかし、行政も事業者もいろいろな方法で景観の混乱を少なくするように努力している。 (景観条例・広告物条例・自主規制と法的規制)
- 公共空間と広告物
屋外広告物の役割/生活情報の提供、空間の演出、都市構造の顕在化
公共施設と広告物
- 交通環境の広告実態
鉄道空間の広告物
バス、タクシー等の広告
一般車両の広告
- 交通広告の問題
動く(あらゆる環境に出現)
各種交通空間・設備(駅前広場、コンコース、通路、機器類、プラットホーム、車両)の公共的機能と広告
安全性
大気汚染、騒音等の環境影響
- これからの交通環境広告
交通機能の確認と確保
都市空間としての量のバランス
安全性、快適性の確保
広告の持つ公共性の確保とデザインの質
広告物全体の中での交通広告の位置づけ
新技術による広告の変化と新たな公共的役割
〈質疑応答〉 |
12:40 ~ 14:00 |
地域の「顔」となる公共交通 ―その実践とデザインの役割
(株)デザイン総研広島 山田晃三
[発言主旨]広島での実践をとおして、コミュニティ交通におけるデザインの役割について、下記視点からお話します。
- できるだけ「自然な」関係を都市のなかにつくりあげること
①動くもの動かないもの
②図と地の関係
③地域の景観
④自然のルール
⑤先達の発送
- 若者を「刺激する」力を都市に与えること
①誇りに思う気持ち
②不可欠なカッコ良さ
③若者とマナー
④強いと弱いの関係
⑤子ども心
- 数学や工学では「割り切れない大切な」領域をコントロールすること
①時間の感覚
②美しいものの存在
③技術の副作用
④愛着という言葉
⑤ほんとうの豊かさ
〈質疑応答〉 |
14:10 ~ 15:30 |
環境デザインエレメントとしての移動体
建築家 三沢浩
- 東京都のラッピングバスの傾向
1) 都の屋外広告条例の規制緩和
2) 都バスから電車体広告への一年
3) 動く広告、移動体広告の時代
- まちの活性化のための基準
1) ラッピング広告の意義について
2) 東京都広告物審議会と審査基準
- 世界の広告媒体と景観の調和
1) 映画「ブレードランナー」の移動体広告
2) 世界の電車・バスの色と景観
3) 景観としての移動体広告のあり方
4) 記憶に残る広告とは
- 景観デザインの要素を考える
1) 景観・風景・その一般的な考え方
2) 新しい人工景観か、自然保全の風景か
3) 平面から立体、空間から時間へ
- スライドで見る実例(約100枚)
〈質疑応答〉 |
15:40 ~ 17:00 |
公共交通のデザインは、二重構造で
評論家 岡並木
- ブザンソンのバスが教えてくれたこと
- Street Carは、貧困のイメージ。LRTへの脱皮
―1973年、米連邦交通省の決断
- 車内外に、リッチ感。これがバスなの?
- 武蔵野市 ムーバスのデザイン
―一般からの公募は不可
- 鈴鹿市 C-バスのデザイン
―地域の風土が教えるデザイン
- 東京某区 コミュニティバスのデザイン
―禁を犯した決定
- 都バスデザインの変遷
―首長や社長の好きなデザインは失敗の元
- 都バスラッピング広告への疑問
―街を汚す罪
〈質疑応答〉 |
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関連情報
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