資料シリーズ(書籍)のご案内 (まちづくり資料シリーズ、シリーズ・内発的発展)
まちづくり資料シリーズ25 交通計画集成 巻8
「交通」の社会実験と市民参加
交通まちづくりのプロセスと手法
[監修] 山本雄二郎/高千穂商科大学 商学部 教授
書籍の概要
体裁 |
A4判/188頁 |
発刊 |
1997年12月 |
定価 |
9,514円(本体価格)+税 ISBN 978-4-925069-73-1 |
執筆者
※役職は講演
又は執筆時 |
岡 並木/評論家 (比較都市論)
高田 邦道/日本大学 理工学部 教授
久保田 尚/埼玉大学 工学部 助教授
山本雄二郎/高千穂商科大学 教授
原田 昇/東京大学 工学部 助教授
卯月 盛夫/早稲田大学 教授
高橋志保彦/神奈川大学 工学部 教授
榛村 純一/掛川市長
三浦 裕二/日本大学 理工学部 教授
坂井 祐一/金沢市 交通対策課
古池 弘隆/宇都宮大学 工学部 教授
花池 史雄/横浜市 交通局 経営計画担当課長
三好 理文/東京都世田谷区 砧総合支所 土木管理事務所長
春日 敏男/東京都世田谷区 政策・都市デザイン担当課長 |
申込方法 |
申込用紙(フォーム)に下記の所要事項を記入の上送付下さい。2~3日以内に発送致します。
■所要事項 : 勤務先、氏名、所属部課役職名、所在地、TEL、FAX、MAIL、支払方法、必要書類、等
■申込用紙 : お申込みフォーム FAX・メールでのお申込み |
書籍の内容構成
第1章 まちづくりと交通計画
1. これからの都市と交通の計画
岡 並木 (評論家)
2. 交通計画実現のための合意形成とまちづくり
高田 邦道 (日本大学)
3. 都市交通計画の推進と社会実験
久保田 尚 (埼玉大学)
4. 空港の計画・建設・運用のプロセスと地域参加
山本雄二郎 (高千穂商科大学)
5. [アメリカ]交通計画の新しい課題と実現プロセス ~ポートランド都市圏等~
原田 昇 (東京大学)
6. [ドイツ]交通計画の役割と実現プロセス ~シュトゥッツガルト市~
卯月 盛夫 (早稲田大学)
7. 街づくりと都心商業活性化と歩行環境整備への展望
高橋志保彦 (神奈川大学)
第2章 参加と実現のケーススタディ
1. [掛川市]新幹線駅建設からスタートした総合的まちづくり
榛村 純一 (掛川市長)
2. [東葉高速鉄道]プロセスと沿道住民との合意形成から学ぶ
三浦 裕二 (日本大学)
3. [金沢都市圏]P&Rシステムの取組みについて
坂井 祐一 (金沢市)
4. [宇都宮都市圏]通勤交通における企業参加のTDM
古池 弘隆 (宇都宮大学)
5. [横浜市]モニター制度を活かした市民参加の交通運営
花池 史雄 (横浜市)
6. [世田谷区]地域の個性を活かした区民参加の道づくり
三好 理文 (世田谷区)
春日 敏男 (世田谷区)
●監修にあたって
財政構造改革が当面緊急の課題とされているなかで、公共事業のあり方が問い直されようとしている。
当然、交通計画もその例外ではなく、交通計画の推進は1つの屈折点にさしかかっていると考えざるをえない。
交通計画の進め方はいかにあるべきか、今後さまざまな試みが行われるだろうが、本巻でとり上げた事例のなかには、新しい兆しを見出すことができるはずである。
第1章の「まちづくりと交通計画」では、外国の事例を含め、いかに社会実験、市民参加を進めてきたか、先駆的な事例を中心に論及した。
国内の例をみても、成田空港問題の解決に向けた「共生」の理念とその実践などは、注目すべきケースといえるだろう。
また、海外(アメリカ、ブラジル、ドイツ)などの試みにも教えられることが多い。
第2章の「参加と実現のケーススタディ」では、各地域における具体例をとり上げた。
ケーススタディとしたのは、より詳細に積極的な交通計画の進め方を明らかにしたかったからである。
たとえば、掛川市の新幹線駅の建設、武蔵野市のムーバスなどは全国的にも広く知られた事例であり、千葉、金沢、宇都宮、横浜、東京(世田谷)のケースも、注目されてよいものばかりといっていいだろう。
一般的にいって、交通計画の推進には、さまざまな困難がともなうことが多い。
それだけに、在来型の発想と手法では対応し切れず、しばしば壁にぶつかってしまう。
さらに、現行の法制では、対処できない問題も起こりうる。
そうした数多くのハードルをいかにして、跳び越えていくか、妙案はあるのか、そのことこそがいま問われているように思われる。その手がかりを本巻から読みとっていただくことができれば、監修者としては望外の喜びである。
1997年11月28日 山本雄二郎
●編集を終えて
本巻の『「交通」の社会実験と市民参加」』の刊行については、企画当初、不安がありました。
その一つは、テーマとしての重要性は認識していましたし、当会としても情報のストックはありましたが、活字としてどこまでまとめられるか、またその執筆を勇気を持って担当してくれる方がいるかどうかでした。
そして、二一ズがあるかどうかも分かりませんでした。
しかし、その心配は見事に外れました。
それは本書を手にしていただければ実感できると自負しております。
この交通計画集成に本巻を加えて良かったと安堵しております。
「交通」という限られた分野ではありますが、事業者や計画者が積極的に取組もうとすれば、市民や利用者も賛成・反対という姿勢から参加という能動的な関わりへと変化することが明らかにされています。
「住民から市民へ」という意識の変化が進んでいることをうかがわせますが、その前提には情報の公開と計画づくりのプロセスヘの参加が求められていると思います。
これまでの「交通」は運ぶ側、つくる側の論理で進められてきたきらいがありますが、社会情勢の大変動が、「交通」を本来の姿に軌道修正させたと言えます。
需要追随型の「交通」から、市民の二一ズや権利に合わせた需要開発(創造)型の「交通システム」へと転換し始めたのです。
ヨーロッパやアメリカのように、交通をシステムとして考え、利用者と地域とで支えるという方向性が見え始めました。
その意味で、私たちがお手伝いした東京・武蔵野市のコミュニティバス「ムーバス」の果した役割には大きいものがあると思います。
この資料集成も第5回目の配本(12巻中10巻の刊行)までたどり着くことができました。
この過程で、刊行に時間的に間に合わないために次の機会に先送りした原稿や情報もあります。
恐縮しますと共に残念なことでもありますが、私たちの心構えをご理解の上、ご期待の程をと申し上げる次第です。
編集委員をはじめ執筆者に厚く御礼申し上げます。
(緑川)
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