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令和2年4月8日

新型コロナウイルスへの対応 〜その2

〜 “総合学習の時間”としての1セメスターの学修へ 〜

〜 人文・社会・自然・学際科学からの教育研究テーマに 〜

〜 個人・グループの社会実践・研究活動に“単位付与”を 〜

〜 教育、研究とともに地域・社会貢献、社会事業としての責務 〜

〜 “智の拠点”としてのキャンパス&コミュニティの使命 〜



青野 友太郎
地域科学研究会 高等教育情報センター



 コロナ特措法に基づく「緊急事態宣言」の発動により、7都府県を中心に大学・短大・高専・専門学校の“キャンパス封鎖”が加速・強化しております。新入生・在学生・留学生たちの入構禁止、職員スタッフの在宅勤務・テレワーク化、そして教員も在宅研究とのことであります。

 学生への教育活動については、オンライン授業・講義の全学的な本格展開がスタートしました。情報環境の整備・拡充とともに、教員・職員スタッフ・学生たちにおける諸準備と本格運営に精励のことと拝します。

 “教育のオンライン化”と“仕事のテレワーク化”への取組みは、ICT活用型の社会構築への大きなアクセルとしての意義・役割は大なるものといえましょう。

 しかしながら、“キャンパス封鎖=立ち入り禁止”には異議ありであります。大学にとって、「研究」「地域・社会貢献」の機能、さらには「社会事業体」としての役割という観点からみると、疑問符が付きます。

 この4月2日に発信した「その1」の論考で、現下の情況への「基本スタンス」を3つ掲げております。極くシンプルなものですが、個人として、大学としての主体的・自立的な智恵と見識と行動力が問われていると思います。
 ・3つの“密”(密集/密接/密閉)への配慮
 ・手洗いと状況に応じてのマスク
 ・社会的距離の確保への自主判断により、一斉休業・外出禁止は限定的に

 大学等はハード面からは「装置産業」でもあり、広い校地に研究室・教室・図書館・体育館等を有しております。専任教員には約20uの研究室、実験系であれば「実験室」や「実技室」「実習室」等が付与されています。また、情報システムとしても、セキュリティの高い環境となっております。“在宅研究”が可能な教員は極く一部ではないでしょうか。

 “知のコミュニティ”としての大学等において、柔かな発想のもと、この1セメスターを“総合学習の時間”として位置づけ、意義ある教育・研究に取組むことも可能かと考えます。カリキュラムに基づく授業科目とシラバスを横において、日々、眼前に展開する“グローカルなウイルス禍”への知的挑戦です。各々の大学等が学生・院生、教員・職員・理事たちの“知”を結集して、コロナ対応への社会貢献に精励するという、もう一つの文装シナリオであります。さらに、学生・院生には、単位を付与することは当然のことであります。

 中国・武漢で人間に発症し、この4カ月余で世界の200国・地域を席捲している“新型コロナウイルス”パンデミック事象は、医学・医療分野のみならず、政治・行政、経済・産業、メディア・文化分野にわたるグローカルな人類的な一大課題となっています。

 「新型コロナウイルスの治療薬・ワクチン」の研究開発は医学・医療・薬学研究者とともにバイオ・生命科学系研究者たちの国際共同・協働が必須となっています。キャンパスを共にする病院部門の現場では、日々苦闘している医療・看護関係者がおります。介護や保育(学童も)の現場でも、マンパワー不足のため、離職者への復帰コールが高まっています。

 現在、大学等においては、それらの分野を専攻している学生・院生の出番ではないでしょうか。現場の最前線で専門職各位の活躍情況を共有し、協働することはたいへん貴重な機会となりましょう。また、身近な地域コミュニティの中で、個人やグループとしてボランティアや課外活動に参画する多様な活動局面は多々あるといえましょう。勿論、個人として「感染しない、感染させない」行動を果たしながらですが…。


以上



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