2016.6.13 「職業大学の制度化」と「法科大学院の総括と進路」をめぐって〜4氏からのコメント〜
6月1日及び10日の2つの<政策直言>にキーパースン各位から下記のコメントをいただきました。
〜教育プログラムの多彩化で十分に対応可〜 ■<10>法科大学院の総括と進路の提言 〜法曹養成制度の再構築を〜 いずれも、我が国の高等教育にとっての重要な政策テーマであり、大学人各位の積極的な提言・直言をお寄せくださいませ。 □「職業大学の制度化」<9>をめぐって <総括なしに新機関をつくるのは納得できませんね> 矢倉久泰氏(ジャーナリスト)
本日のご意見、その通りだと思います。既存の大学等の高度職業人養成のどこに欠陥があったのかという総括なしに、新職業大学をつくるというのは納得できませんね。バックに何か圧力があったのでしょうか。
(2016/6/1)
<ほぼ同感ですが……いろいろな方と議論が出来れば> 山本眞一氏(桜美林大学)
私もほぼ同感ですが、政策とは各種利害の妥協・調整のもとにアウトプットされるものと考えておりますので、論点は他にもさまざまなものがあることでしょう。いろいろな方と議論ができればと思います。
(2016/6/2)
□「法科大学院の総括と進路」<10>をめぐって <いつもながら、明快な論に感服します> 大橋博氏(創志学園)
専門職大学の設置方針が発表された時の、「制度の設計ミス」の文字を見たときも、思わず膝を叩きたくなりました。今回も鋭い指摘だと思います。
私は法学部法律学科の卒業です。いつか法学部を設置したいと考えていましたが、今は怖くてできません。法科大学院の失敗が、法学部全体の評価を落としてしまいましたね。学部としての法学部は絶対に必要だと思っていますし、法学部卒業生の僅かの人が挑戦する法律家の養成機関としての、法科大学院の失敗が何度も新聞紙上を賑わしたことが、法学部の人気を一気に落としました。高等学校もキャリア教育の中において、学部教育における法学と法科大学院の違いを指導すべきではないでしょうか? この点はどう思われますか? (2016/6/10)
<既存の制度を根底から壊す必要> 齋藤隆夫氏(桜美林大学)
法科大学院の総括等、同感です。
提言については、私は、予備試験は制度全体の将来を考えると早急に全廃すべきだと思います。これについては、当初から考えていましたが、予備試験の論拠の「法科大学院に行けない経済的弱者救済」は、受験生への特別な奨学金ですべきです。 2と3もほぼ同感です。4も同感ですが、「法曹一元」の建前は弁護士のメンタリティを中心に極めて強固です。 最後の、司法試験と司法書士の一次試験の統一は、法律実務家の統合(フランスではだいぶ進んでいます)を視野に入れれば間違いなく第一歩となります。私は、理念的には一元論者なので全く同感です。しかし、残念ながら肝心の司法書士、弁護士の賛同は困難です。 いずれも、まさに「政策」で、現実化には既存の制度を根底から壊す必要がありますから、現場での問題提起もさることながら、トランプのような強烈な個性を持った政治家が牽引しないと難しいと思います。 (2016/6/11)
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