令和2年6月29日
大学史 沿革史 自校史よもやまばなし
□ はじめに □
本稿は、FMICS(高等教育問題研究会)の機関紙「BIG EGG」のNo.696〜725(平成30(2018)年2月〜令和2(2020)年5月)の足掛け3年にわたって連載したものが原型である。 機関紙「BIG EGG」は、紙面の制限があり、内容をあっさりしたものにせざるを得なかった。そこで、筆者は、草稿を見直して加筆修正を試み、内容拡充を図った。 プロット建ては、体系的にというよりも読者が興味を持ちそうな項目を優先している。したがって、アットランダム感は、否めないので、予めご承知いただきたい。 記述に当たっては、筆者自身の経験をそのベースとしている。そもそも筆者の出発点は、書籍編集者であることを最初にお断りしておきたい。 昭和49(1974)年、法令集や便覧の編集にその緒があり、丸々2年間缶詰め状態で自治六法、文部法令要覧などの年度版編集に携わることにより出版進行の勘所を身に付けた。その後、一般単行本の編集及び年史・史誌の編集を経験した。その間、一貫して資料調査が付いて回ったことは、断るまでもない。年史・史誌だけでも編集した数は、100点を超える。一般市販本をはじめ請負出版である大学・高校の学校史及び国・県・市町村史で関わった単行本は、300冊を超えることになった。拓殖大学創立百年史編纂室に籍を移す平成16(2004)年8月までのことである。 目標とするところは、大学史(あくまで「自校史」であるが)の在り方から編纂及びその意義を表現するところにある。あらぬ方向に話題を振ることもありながら、自校史編纂、本づくり及び史資料調査保管にまつわるテーマを過度な深掘りにならないように稿を進めることにする。 <目 次> |