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                                           2014.11.28

学長・理事長のガバナンスの要諦
〜“コマツウェイ”(坂根正弘氏 記)に学ぶこと〜


青 野 友 太 郎
高等教育経営計画研究所常任同人


 
  日経紙朝刊の文化欄を愛読している各位は、本日の『私の履歴書』から貴重なヒントをゲットしたかと拝します。『禁断のスカルプル』の連載小説等も、いつもホットであります。

  坂根正弘氏(コマツ相談役)は、社長退任の前に、「コマツウェイ」というマニフェストを全社員向けに作成しました。

  第一章「マネジメント編」では、5本柱の1つに「ビジネス社会のルール遵守」。その施策の1つが、月1回の社長あての事業責任者や小会社のトップの報告書においては「報告の順番はバッドニュースが先」の原則。コンプライアンスに関わる悪い報告を毎月繰り返すことで、ルール順守の意識が組織風土となることへの期待です。

  もう1つは「常に後継者を考えること」。社長のみならず、工場長や部長にも“サクセッションプラン(後継者選び)”の策定の義務付けです。毎年1回、「自分の次」と「次の次」の適任者を社長に報告し、話し合うルールとのこと。思いつきを排して、継続的で安定感ある人事の定着を実現するためです。

  今般の「大学ガバナンス」施策において、学長・理事長への権限がますます拡大・強化されます。チェック機能を果たすべきことを期待される監事に適任者を得ている大学は、極く少ないとみられます。

  小会としては、次の提言をしております。“トップは孤独”であり、そのためには、外部に“メンター役”を保持することが肝要です。小会では、学長・理事長OBOGと現役組とのマッチングのお手伝いをしております。

  つまり、学園・大学の基本情報を常時、メンターに送付しておき、適時に相談したり、随時に助言をいただくシステムです。個人契約とし、メンター役には自らの報酬の2割程度の謝礼をするという方式です。

  1昨年初春に、理事長職を想定したマッチングセミナーを1泊2日で開催しております。また、個別の依頼も受託しております。

  さて、この12月6日に開催する下記の「ガバナンス」セミナーの機会を是非ともご活用くださいませ。

大学ガバナンスの進化と諸規則の改訂

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