時間 |
講義内容 |
9:00 ~ 10:20 |
政策法務とは何か ―自治立法選びと法解釈の自治
東京都立大学 兼子 仁
- 自治体法務の「政策法務」への進展
(1)政策から法務への要求・方向づけ (2)法務から政策への条件づけ
- 自治立法選び
(1)自治立法の形式選び ―例.住民表彰の根拠法規・内規の色々(条例、規則、規程、要綱・告示)
(2)条例の内容的仕組み選び-例.ポイ捨て防止条例(処罰・規制・指導型)
- 分権時代における法解釈の自治
(1)法律運用をめぐる「法解釈自治」
(2)訟務の政策法務的な位置づけ-例.オウム信者転入不受理事件
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10:30 ~ 11:50 |
自治基本条例の策定と法務
地方自治総合研究所 辻山 幸宣
- 広がる自治基本条例制定
(1)制定状況 (2)定義
- 自治基本条例への関心が高まってきた理由
- 自治基本条例を支える理論
(1)自治行政が市民の手に帰ってきた
(2)自己統治のかたちは自治法に?自治の再定義
(3)「市民社会の自治があって…」の再発見
(4)市民の3側面(公共を担う市民、主権者市民、消費者市民)の再認識
- 自治基本条例の基本的性格
(1)地域統治の原理と原則 (2)市民自治宣言
- 自治基本条例の法務
(1)自治体の憲法あるいは最高条例性の担保
(2)「法律に違反しない限り」との関係
(3)基本的な用語をめぐって(市・市民・協働・共同・市民の責務)
(4)条例文の表現あるいは簡潔性・厳密性の議論
(5)重要な制度設計(議会・住民投票・首長任期等)
- 策定手続きに関する問題点
(1)市民参加(参画)の方法(公募・人数・選抜)
(2)市民策定の正統性問題(公募→サンプリング仮説)
(3)職員・事務局の役割と参加の意義
(4)策定組織と学識者の位置
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12:40 ~ 14:00 |
開発・建築行政における条例と法令との関係 ―横須賀市の取り組みを参考に
関東学院大学 出石 稔
- 分権改革による条例と法令との関係の変化
(1)法解釈権の拡大 (2)条例制定権の拡大(形式的・実質的)
- 開発・建築行政を取り巻く法環境と条例制定の可能性
(1)開発許可、建築確認処分の裁量余地 cf.墓地経営許可(墓地埋葬法)
(2)都市計画制度と条例の関係
(3)法令事務条例(委任条例・法執行条例)/自主条例
- 横須賀市の取り組み紹介
(1)特定建築等行為条例(指導要綱の条例化/住民調整ルール)
(2)景観条例(行政指導に止まらない実効性の確保)
(3)土地利用調整関連条例の体系的整備(独自のあるべき土地利用・まちづくりの実現)
- 開発・建築行政の今後の展望(法的視点から)
(1)国法の動向と自治体の姿勢(景観緑3法etc.) (2)改正行政事件訴訟法への的確な対応
(3)政策法務プロセスの確立
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14:10 ~ 15:20 |
自治体における政策法務組織の改革 ―自治組織面から政策法務を考える
立正大学 山口 道昭
- 自治体の自治組織権
(1)日本国憲法による枠組 (2)地方自治法による枠組 (3)個別法令による規制 (4)自治体の法令解釈
- 自治体の政策法務組織
(1)政策法務組織の位置づけ (2)原課の政策法務 (3)管理部門としての政策法務組織
- 政策サイクルと政策法務組織
(1)立法時の主体と手続 (2)執行時の主体と手続 (3)政策法務のアウトソーシング
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15:40 ~ 17:00 |
日田市の「まちづくり権」訴訟に関する政策法務的な考察
弁護士 藤井 範弘
- 日田市総合計画の策定
- 「サテライト日田」進出計画
(1)サテライト日田設置反対運動 (2)場外車券売場設置規制条例
- 憲法の保障する「まちづくり権」
- 日田市の「まちづくり権」訴訟
(1)地方自治体の原告適格 (2)原告適格に関する最高裁判例 (3)諸外国における地方自治体の出訴権
(4)自転車競技法の憲法適合的解釈
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